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コラム

2022.12.06

パパ休暇とは? 男性の育休取得に関する課題や制度の活用方法などを解説します

これまでは、育児休業制度=子どもを出産する女性のための制度と考えられがちでしたが、最近では社会や男性自身の意識も変わり、育休を積極的に取得する男性も少しずつ増えてきています。そんな中、注目されているのが「パパ休暇」です。この制度を活用することで、男性の育児参加のさらなる促進や、男女ともに仕事と子育ての両立できるようになる環境づくりが期待されています。そこで今回は、育休に関する現状や課題とともに、「パパ休暇」の概要を解説します。

パパ休暇ってどんな制度?

 「パパ休暇」とは、妻の産後8週間以内に育児休業を1回取得した夫が、2回目の育児休業を取得できる制度です。通常の育児休業は、子どもの出生につき、原則1回しか取得することができませんが、パパ休暇に関しては、理由を問わず再度取得することができます。しかも社会保険料の免除や育児休業中の収入も、通常の育児休業と同様に認められます。また、両親がともに育児休業を取得する場合に活用したいのが、「パパ・ママ育休プラス」です。この制度を活用すれば、原則的には子どもが1歳になるまで取れる育児休業期間を、子どもが12カ月になるまで延長することができます。

 

男性の育休取得率の現状と課題

 そもそも日本の育児休業制度自体は非常に整備されており、ユニセフの報告書でも、31の先進国のうち取得期間や条件面などで1位の評価を得ています。しかし厚生労働省が実施した雇用均等基本調査によると、2020年度の男性の育休取得率は12.65%と、過去最高には達したものの、この数字は国際的にはまだまだ低い水準です。例えば男性の取得率が90%近いスウェーデンや、男性育休の義務化に取り組み始めたフランスなどと比べれば、日本での男性育休取得がいかに進んでいないかがわかるでしょう。また2020年の同調査によると、男性の育休取得期間が5日未満の割合は28.3%と、せっかく制度を活用しても、短期間しか休まない人が多いのも見て取れます。

 これだけ制度がしっかり整備されているにもかかわらず、なぜ十分に活用されていないのでしょうか。その理由としては、育児休業制度の認知が低いことや、職場に育休取得者がいない、あるいは少ないため、前例がない中で育休を取得しづらい雰囲気があることなどが考えられます。今後は企業だけでなく国全体として、制度の周知や、男性でも育児休業が取りやすい雰囲気の醸成に注力していく必要があるでしょう。

 

パパ休暇の取得条件と取得までの流れ

 続いてパパ休暇を取得するための条件をご説明します。取得する場合、以下の要件をクリアしなければなりません。

◎子どもの出産後8週間以内に育児休業を取得していること。

◎子どもの出産後8週間以内に育児休業が終了していること。

 

また1回目の育児休業に関しては、以下のような特例もあります。

◎出産予定日前に生まれた場合は、出生日から出産予定日までの期間から8週間後まで

◎出産予定日後に生まれた場合は、出産予定日から出生日までの期間から8週間後まで

 

ただし、入社1年未満の従業員や、休暇取得申請日から1年以内に退職することが明確な従業員などは、労使協定でパパ休暇の対象から除外されるケースもあるので注意しましょう。

 次に手続きに関してですが、まず対象となる従業員が育児休業開始日の1カ月前までに、会社の人事担当者に「育児休業申出書」などの所定用紙を提出します。その後、会社側は育児休業の申し出を受けたことを証明する「育児休業取扱通知書」を発行する必要があります。

 

男性の育児参加が当たり前の時代になるために

パパ休暇とは、妻の産後8週間以内に夫が育児休業を取得した場合、特別な事情がなくても2回目の育児休業を取得できる制度です。育児休業を2回取得することによって、妻のフォローや、夫婦で子育てをする体制を整えることができます。日本はこうした育児休業制度自体は非常に整備されていますが、残念ながら男性の育休取得率は国際的には低く、十分に活用されているとは言えません。今後企業は、パパ休暇を含む育児休業制度の認知向上や育休取得者の前例づくりを推進する必要があるでしょう。一人でも多くの従業員がこうした制度を積極活用することで、男性の育児参加が増え、当たり前の時代になることが望まれます。
(関連コンテンツ:有給休暇の取得促進のために、今求められているものとは?定義や取得促進の施策について解説します

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