舶用エンジン遠隔操縦装置

舶用エンジン遠隔操縦装置「BMS-2000Ⅳ」は、豊富な経験とシリーズ累計4,500セット (2025年4月現在)を超える採用実績のもとに、操作性・安全性・信頼性の向上に加え、経済性・メンテナンスの容易性を追及しています。
近年の燃費低減の要望を受け、新機能(オプション機能)である「Rough sea Auto Speed Reduction(以下ASR)」と「Auto Engine Load Control(以下ALC))を開発しました。ASRおよびALCは、就航船のレトロフィットも可能です。
また、船級のルール変更による仕様変更についてもソフトウェアベースで柔軟・迅速に対応することが可能です。

製品詳細(BMS-2000IV)

舶用エンジン遠隔操縦装置「BMS-2000Ⅳ」は、電子制御式ディーゼルエンジン(ME/ME-Cエンジン)のために開発された遠隔操縦装置であり、ご好評頂いたBMS-2000ⅢMEの後継機となります。機能、操作性、機器構成、電気配線などは従来機を踏襲しており、容易に導入することが可能です。電子制御エンジン用制御装置と連携して機関の遠隔操縦を実現し、機関の保護機能、船橋・制御室・機側間のテレグラフ通信機能を持っています。

構成

BMS-2000Ⅳは次の3つのシステムにより構成されています。

■遠隔制御システム(RCS)
 電子制御エンジン用制御装置(ME制御装置)と連携して、主機関の始動・停止・逆転等の制御を行います。

■機関保護システム(EPS)
 主機関を保護する安全装置です。

■テレグラフシステム(ETS)
 船橋・制御室・機側間の通信を行います。

特徴

船橋・制御室に大型カラー液晶を採用

12.1インチの大型カラー液晶を採用しており、視認性に優れます。

テレグラフ

テレグラフは、押しボタン式、ハンドル式の2種類から選択可能です。

制御室テレグラフ連動操縦を標準採用(BMS-2000Ⅳ)

制御室の速度調整ダイヤルにテレグラフを組込み、テレグラフ連動操縦を標準化することで、乗組員殿の負荷軽減を図ります。

図面やトラブルシューティング手順表示を標準装備

船橋、制御室に設置されるディスプレイ装置にて、本船用の舶用エンジン遠隔操縦装置の取扱説明書、配線図などの図面を表示できます。
メンテナンス効率の向上や、トラブル発生時の早期解決に貢献しています。

船級型式承認 IACS UR E10・E27 に対応

・船舶搭載機器の船級型式承認を取得済み(ABS、BV、DNV、LR、NK 船級)

・サイバーセキュリティの船級型式承認を取得済み(ABS、BV※、DNV※、LR※、NK 船級)
※BV、DNV、LR船級の承認取得は、2025年を予定

船内制御室監視盤への警報・表示内容を通信可(追加オプション対応)

制御室監視盤との入出力信号の一部をネットワーク通信で対応可能です。
従来のケーブルでの接続を減少させ(入出力点数の削減)、メンテナンス効率の向上が期待できます。

燃費低減機能(追加オプション対応)

・Rough sea Auto Speed Reduction(以下ASR)
荒天時に自動減速することにより、0.83%※の燃費改善が期待できます。

・Auto Engine Load Control(以下ALC)
ALCは減速運転の最適化をすることで1.23%※の燃費改善が期待できます。

・ASR、ALC機能は、就航船でのレトロフィットも可能です。
※燃費改善率は、当社シミュレーションテストによる検証結果に基づいています。

システム構成図【概略】

システム構成図【概略】

記載のシステム構成図は、概略であるため、一部の通信ラインを省略しております。

エンジンテレグラフシステム

BMS-2000と同型のテレグラフ発信器を採用した高性能・コンパクト設計のエンジンテレグラフシステムです。
シリアル通信方式を採用しており、外部接続ケーブルの省線化を実現しております。
また、発信器側面のドット表示は高輝度LEDを採用しており、優れた視認性を確保しています。

ETS-200